- 1.はじめに
今後の超高齢社会においては、高齢者、特に75歳以上の後期高齢者の急増が見込まれています。さらに、一人暮らし高齢者や高齢者夫婦のみの世帯、認知症高齢者の増加とともに、疾病による入院リスクの高まりによる入院需要の増大も想定されます。
こうした中で、国においては、日常生活圏域において、生活に必要なさまざまな要素が利用者のニーズに応じて適切に組み合わされ、入院、退院、在宅復帰を通じて、切れ目なく住まい・生活支援・医療・介護・予防 の5つの要素が一体的にサービス提供される 地域包括ケアシステム構築の実現を目指しています。
本市におきましては、昨今の家族・地域社会の変容などにより、地域における生活課題の多様化・複雑化が進んでいることから、高齢者をはじめとして、すべての市民の皆様が住み慣れた地域で自分らしさを発揮し、自立した日常生活を営むことができるように、生活に必要な要素が包括的に確保された体制づくりとして、地域包括ケアシステムの構築を進めています。
川崎市における地域包括ケアシステムの構築(PDF形式,3MB)
- 2.これまでの主な取組
(1) 地域包括ケア推進室の設置
子どもから高齢者まで部局横断的な取組が可能となるように、平成26(2014)年4月に、健康福祉局内に、「地域包括ケア推進室」を設置しました。平成30(2018)年4月に組織再編し、室内に、課相当の組織として、ケアシステム担当、地域福祉担当、地域保健担当、専門支援担当を設置しました。
(2) 川崎市地域包括ケアシステム推進ビジョンの策定 平成26(2014)年4月に、学識経験者、保健・医療・福祉関係団体、地域の活動団体、福祉関係事業者、市民の代表により、「川崎市地域包括ケアシステム検討協議委員会」を設置し、平成27(2015)年3月に、地域包括ケアシステム構築に向けて関連する個別の行政計画の上位概念として、川崎市の地域包括ケアシステム構築に向けた基本的な考え方を示した「川崎市地域包括ケアシステム推進ビジョン」を策定しました。(現在、検討協議委員会を引き継ぎ、川崎市地域包括ケアシステム連絡協議会 として開催しています。) |
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本編はこちら(川崎市公式サイト) |
(3) 地域みまもり支援センターの設置
地域包括ケアシステム推進ビジョンに基づく取組として、平成28(2016)年4月に、区役所保健福祉センター内に、地域みまもり支援センターを設置し、個別支援の強化 と地域力の向上 に取り組んでいます。
平成31年(2019)年4月に保健福祉センター全体を地域みまもり支援センター(福祉事務所・保健所支所)に改称しました。
地域みまもり支援センター(福祉事務所・保健所支所)
地域ケア推進課 | 地域の福祉関係団体などと連携し、各区の実情を踏まえた地域包括ケアシステムの構築に向けた企画・調整を行います。 |
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地域支援課 | 各地域を担当する保健師と、社会福祉職などの専門職が、地域に出向き、様々な関係者と連携しながら、健康づくりや 子育て支援、生活課題への対応や地域活動の活性化に向けた 支援を行います。 |
児童家庭課 | 児童扶養手当、保育所入所申請、 川崎認定保育所等の情報提供などを行います。 |
高齢・障害課 | 介護保険の認定、給付、高齢者福祉サービス、 障害者福祉サービスの相談に応じています。 |
保護課 | 生活にお困りの方の相談に応じています。 |
衛生課 | 感染症の予防、衛生害虫等の相談、食品衛生、飲食店等の営業許可、その他環境衛生に関することなどの相談に応じています。 |
保育所等・地域連携、学校・地域連携 | 学校・保育施設等と地域との連携により、支援が必要な家庭や子どもへの対応の強化を図ります。 |
- 3.システム構築に向けた取組状況
(1) ロードマップ
本市における地域包括ケアシステムの構築に向けましては、「推進ビジョン」を上位概念として、関連する個別計画とともに、具体的な施策や事業展開を推進しています。
そこで、関連個別計画の多くが平成30(2018)年度に改定・見直しの時期に合わせ、第1段階の土台づくりの期間を平成27(2015)~平成29(2017)年度とし、第2段階のシステム構築期として、地域の将来のあるべき姿の合意形成、ビジョンの考え方の地域での共有、多様な主体が役割に応じて具体的に行動していくことができるよう、2025年までを目途として取り組みます(第2段階;平成30(2018)~令和7(2025)年度)。さらに、2025年度以降も、第3段階のシステム進化期として更に取組を推進していきます。
(2) 第1段階の取組
これまで、「推進ビジョン」の基本的な視点として、①意識の醸成と参加・活動の促進 ②住まいと住まい方 ③多様な主体の活躍 ④一体的なケアの提供 ⑤地域マネジメントの5つを掲げ、取り組んできました。
地域包括ケアシステム5つの視点における取組一覧(平成30年度末時点)(PDF形式,780KB)
(3) 第2段階における方向性
基本的な5つの視点のもと、意識づくり・仕組みづくり・地域づくり の3つに注力しながら、2025年に向けて地域包括ケアシステムの構築を進めます。
川崎市地域包括ケアシステムパンフレット(川崎市版地域包括ケアシステム広報ツール)
- 4.地域包括ケアシステムポータルサイトについて
本ポータルサイトは、推進ビジョンの基本理念の実現に向け、市内で取り組まれている様々な活動を発信するとともに、普段の生活の中で誰もが行っているような地域包括ケアシステムに資する取組を紹介するなど、様々な主体が地域包括ケアシステムへの理解を深め、それぞれの役割に応じた取組を広げていくためのツールの一つとして開設しました。
- 5.地域包括ケアシステム推進ビジョンに関連する個別計画
高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画をはじめとする各個別計画は、川崎市地域包括ケアシステム推進ビジョンを上位概念と位置付け、推進ビジョンの内容をより具体的な目標・取組方針・施策として定めるなど、推進ビジョンの内容を踏まえて策定されます。
- 関連計画
高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画「かわさきいきいき長寿プラン」
かわさきノーマライゼーションプラン
川崎市地域福祉計画/各区地域福祉計画
川崎市子ども・若者の未来応援プラン
川崎市健康増進計画 かわさき健康づくり21
かわさき保健医療プラン
かわさき教育プラン
川崎市住宅基本計画